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「マイナンバー制度の実務」セミナーで講師をしていただいた弁護士 内野令四郎先生のご著書が出版されました。
 

 『防げ!学校事故~ 事例・裁判例に学ぶ予防策と対処法』 (第一法規)

~本書推薦の言葉より~

本書を手に取って下さった皆様へ
 
 現在、小生は第三者として私学に関わる立場ですが、事故が発生するたびに組織的・日常的な「情報の共有」の欠如、併せて「不適切な事故対応」を感じられることが少なくありません。事故はどこにおいても起こり得ると想定し、対応措置を講じるべきでしょう。
 本書のユニークな点は、法律論に終始せず「当事者の気持ち」「保護者の不満」「学校に求められる未然防止のための注意点」を、子供を軸において整理している点です。特に、事例を孤立させること無く上記の切り口をもって、共通する視点・課題を見事に浮き彫りにしている点は、類書に無い特徴といえます。
 学校の管理職者、教職員は、本書に掲載された多くの事例を学ぶことで、日常的に取組む安全確保の対象事項、併せて事故発生時にはどの様な点に配慮しなければならないのか、具体的な手がかりが得られると思われます。
 そして本書の最後において、学校は事故の防止・事故発生時の的確な対応を目的として、学校保健安全法に規定される「学校安全計画」「危機管理マニュアル」「施設設備の点検」等の策定につき、管理職者・教職員全体の課題とされている点は極めて今日的です。
 本書は、子供たちが健やかに育ち社会へ巣立って行くことを願い、学校・保護者の立場を超えて大人たち皆で教育環境を整えてゆこうと提言されています。
 大人たちを対立関係に置くことなく、如何に協力して子供を守れるのか、学校関係者のみならず保護者を含め、多くの方々に読んで頂きたく推薦します。
                                        富本教育研究所 所長 富本道宣

 
 学校は、未成年の集団が、ひとり一人主人公で生活するために、法律も教育の一環を形成していて、小さな事故への対処が、大きな意味を持つことが、多い。その意味ではすぐれた教育者にはたくまずして法教育の知恵と実践をみることができるのだが、残念なことに近年は家族の変容と社会の変化が激しく、初動でつまずくケースが少なくない。とりわけ細心の対応が求められるのが、家族の不安への視線であろうか。文科省でも学校事故対応について欧米並みの第三者調査機関の設置も検討されている現在、甘い想定は禁物である。本書は、すぐれてそこに触れた慧眼の実務書である。
 尚、小職は「本書を手にとってくださった皆様へ」の一文を寄せられた富本教育研究所所長 富本道宣先生が設立された学校管理者養成のためのNPO学校支援協議会で、富本所長が東京・神奈川私学を中心として事務方の勉強会をつとに十数年前はじめられたものを引き継いだ立場にあるが、本書の著者である弁護士内野令四郎先生には、お父上の弁護士内野経一郎先生以来常日頃ご指導を仰ぎ、学校事案に精通されていることを蛇足ながら付言する。
                                         森上教育研究所 所長 森上展安